高齢者の方の活躍について(1)

皆さんこんにちは!桜沢ひろとです。
今回は高齢者の方向けの政策について、東京都の調査結果などを踏まえお話します。

まず、東京都福祉保健局の「高齢者の実態把握調査結果」を紹介します。
リンクの資料は、東京都福祉保健局が開催した「第1回人生100年時代社会参加施策検討委員会」の資料です。
資料のうち、高齢者の「就労」と「ボランティア」についてとりあげたいと思いますが、今回は「就労」です。
(「ボランティア」は次回に取り上げます。)

まず、高齢者の「就労」について。

(画像は資料の抜粋です。)
現に就労している方で、生涯現役で就労を継続したいとの意向有する方が3割程度存在し、80代以上では約94%もの方がそう思っている、ということがわかります。
もちろん、就労する理由として「収入を得たいから」というのが一番ですが、同時に相当数の方が「経験や技術を生かしたい」や「社会に貢献したい」と考えていることも、次の画像から伺えます。

理由はいろいろあれど、高齢になっても就労を続けたいという方が一定数いるということがわかりました。
高齢者の雇用先の例として真っ先に思いつくのは、シルバー人材センターではないでしょうか。
そこで、シルバー人材センターについて少し見ていきます。

東京都シルバー人材センター連合のHPを見てみますと、都内のシルバー人材センターの設置数は58で都内62区市町村のうちほどんどの自治体に設置されていることがわかります。
(羽村市にも設置されています。)
しかし、会員数はずっと横ばい・減少傾向にあります。
会員数がピークだった平成22年から一貫して高齢者数は増加しているのに、会員数は横ばい・減少傾向にあるということです。

ここまでで、次のことがわかりました。
・生涯働き続けたいと考える高齢者が一定数いる。
・高齢者は増加しているが、シルバー人材センターの会員数は横ばい・減少している。

これらのことから、雇用のミスマッチが存在するのではないかと推察します。
もちろん、定年退職が延長された、退職後の再雇用が容易になった、団塊世代の高齢化が進んだ、などの理由もあると思います。
しかし、1枚目の画像の問2-5のように、現在就労していない高齢者でも、環境が整えば働く意欲を示している方が一定数います。
意欲のある方が就労することで、充実感の獲得、自己実現、健康の維持にもつながります。
人手不足を補い、経験や技術を継承し、人口減少社会を乗り切る大きな力にもなります。

羽村市でも、就労意欲のある方が活躍できるよう、しっかりとニーズを調査して対策を練ることが大切だと考えています。
(私の勉強不足で恐縮ですが、すでにそういった動きがあるということであればご教示ください。)

では、他市ではどのような対策をしているか見ていきます。
世田谷区では、高齢者の就労支援として、東京大学先端科学技術研究センターが開発した「GBER」というwebプラットフォームを活用しています。
GBERでは、シルバー人材センターよりも高度な業務を受任でき、自らの技術や経験を活かすことで充実感を得られるようです。
(「第1回人生100年時代社会参加施策検討委員会」の資料5にも紹介されています。)
このように、シルバー人材センターとのすみ分けをうまくしながら就労のマッチングができるのであれば、幅広く高齢者に活躍の場を提供することに繋がります。
一方で、民業圧迫の恐れもあり、地域での合意形成も必要になると思います。
こういうときに、政治の力が必要になのでしょう。

羽村市でもこうした事例を参考に効果的な対策を実施することで、市内の高齢者の活躍を実現し、市民が人生100年時代を豊かに過ごせるようになるのではないかと考えています。

高齢者の「就労」については以上です。
「ボランティア」については次回取り上げます。

高齢者の方の活躍について(1)” に対して2件のコメントがあります。

  1. takako より:

    私のパート先では、75歳の女性が働いています。その方は70歳で雇用され、職場では、明るく生き生きとしています。若い人と働く事が元気の秘訣らしいです。いわゆる高齢者である先輩方には、とても励まされています!

  2. 岩橋忠宏 より:

    昨日まで年収1,000万円以上稼いでいた人が、60歳の誕生日を過ぎた途端、同じ仕事で250万円しかもらえなくなる。それでも65歳まで働いて、年金だけでは満足な生活ができないからと、やりたくもない仕事に就いて100万円ほど稼ぐ。すべての人に当てはまりはしませんが、これが現実です。
    人生100年時代を迎え、その後半を心身共に豊かに過ごせるか否かは極めて大きな問題であり、その機会や道筋を創って示すことは、より重要な課題でしょう。
    高齢者が働かずとも豊かに暮らせる社会は理想的ですが、まずは『高齢者が心豊かに稼げる社会』の実現が望まれます。

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