令和5年6月定例会一般質問詳細
皆さんこんにちは!桜沢ひろとです。
タイトルのとおり、6月の一般質問での発言と市の答弁の要約を掲載します。
市の答弁の全文、再質問、再答弁については掲載しませんのでご了承ください。
インターネット中継であれば、市の答弁や再質問・再答弁までご確認いただけます。
(6/19時点でまだ公開されていませんが、そろそろ公開されると思います。)
インターネット中継と以下に掲載する質問や市答弁要約は、正式な記録ではないことにご注意ください。
なお、正式な記録は「羽村会議録検索」で公開されますが、数カ月の時間を要します。
以下、黒字が私の発言で赤マーカーが市の答弁の要約です。
さっそくですが、子ども家庭庁→こども政策担当大臣 の誤りを発見しました。恥ずかしいですね。
(以下発言)
事前通告に従いまして、2項目質問させていただきます。
第一項目は羽村市の少子化及び人口減少についてです。
まず初めに、令和5年3月31日にこども家庭庁が「こども・子育て政策の強化について(試案)」を公表し、これからの 6~7 年が、少子化傾向を反転できるかのラストチャンスであるとの見解を示しました。また、令和5年4月からこども基本法が施行され、同法第5条では、地方公共団体の責務が明文化されました。
次に、「第六次羽村市長期総合計画」に記載されている羽村市の将来人口推計によれば、今生まれた子供たちが大人になる22年後の2045年には羽村市の総人口は2020年と比べ約22%減となります。特に、年少人口及び生産年齢人口の減少は著しく、2045年には2020年と比べ約35%減となります。
さらに、令和3年の羽村市の合計特殊出生率は1.22と、人口維持が可能といわれる人口置換水準の2.07を依然として下回っています。
この出生率低下による少子化や人口減少は全国的な問題であり、国が早急な対応を講ずべきことでもありますが、一方で、各自治体のたゆまぬ努力も不可欠です。
羽村市が今、市内の出生率低下による少子化や人口減少に全力で立ち向かわなければ、地域経済の縮小、税収減、社会保障費の負担増、地域における共助の担い手不足などのさまざまな問題に歯止めがきかなくなります。
それらを回避し、地域社会を維持するためには、国だけでなく市も率先して子どもを産み育てたいと思う方が、希望どおりに子どもを産み育てられる環境を整備することが、重要だと考えます。
これらの事実や私の考えを基に、次のとおり質問させていただきます。
質問(1)羽村市の少子化及び人口減少に関する市の見解について
①羽村市の少子化及び人口減少の進行について、市の現状認識をお伺いします。
→市の人口減少、少子化は、全国的な傾向と同様、想定を超えるスピードで進行しているものと認識している。
②羽村市が将来達成すべき合計特殊出生率及び維持すべき人口規模について、市の目標をお伺いします。
→第六次長期総合計画では、合計特殊出生率や人口規模の目標値は定めていない。
③第六次羽村市長期総合計画のとおり少子化が進行する場合、2045年の年少人口は2020年の約67%に減少しますが、それに伴う学校施設のあり方についてはどのように考えているでしょうか。
→学校施設のあり方については、教育的な観点以外にも公共施設全体の総合管理の面など様々な要素を含む課題であると捉えており、教育委員会での検討と併せて、今後の方向性について検討していく。
次に、質問の(2)羽村市の少子化及び人口減少への具体的な対策についてです。
質問に入る前に、質問の背景を申し上げます。
まず、羽村市の総人口はピークを過ぎてすでに減少が始まっており、市外への人口流出の抑制はもちろんのこと、出生率・出生数の向上による自然増に取り組むことが重要だと考えます。
次に、国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査」によれば、既婚の夫婦の平均理想子ども数は2.25人、平均予定子ども数は2.01人と、子どもを2人以上産みたいと考える夫婦が一定数いることがわかります。
一方で、夫婦が理想の数の子どもを持たない理由として、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が最も多く挙げられています。
特に若年の夫婦では、「これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから」や「家が狭いから」という理由が次に多く挙げられています。
これらのことから、一般的に夫婦は理想の数の子どもを産まず、その理由として主に子育ての経済的、心理的、肉体的な負担が大きいということが推察されます。
これらの理由に対して、他の自治体ではさまざまな取組みがなされています。
羽村市でもこうした先行事例を研究し実施することで、市の出生率を向上させ少子化に歯止めをかけられるのではないかと考えます。
その取り組みの例として、1つ目は、子育て世帯の3世代近居・同居の促進です。
北陸地方などの合計特殊出生率が高い地域では、祖父母と親子の居住距離が近く、祖父母からの子育て支援を受けることで、親の子育ての負担が軽減されているという特徴があります。
そこで、(2)①の質問です。
羽村市においても、家族の助け合いのもとで安心して子育てできるようにするため、また、市外に流出した子育て世帯の流入のため、助成事業の創設等により市内での3世代近居・同居を促進してはいかがでしょうか。取り組みの例の2つ目は、子育て世帯の住宅取得に係る経済的負担の軽減です。
さきほどのとおり、理想の子どもの数を持たない理由として「家が狭いから」が挙げられていますが、子育てに必要な広さの住宅を取得するためには、住宅の購入費用と資金の借入金利の負担が重くのしかかります。
世界的に金利が不安定に推移する状況もあり、若年層が広い住宅を取得して、さらに子どもを産み育てたいと思っても、なかなか決断できることではありません。
そのようななか、少しでも借入金利を下げる方法の一つとして、独立行政法人・住宅金融支援機構が提供する住宅ローンである「フラット35 地域連携型」という制度があります。
地域連携型とは、市民が住宅取得に際して、居住する自治体の住宅助成事業を利用する場合に、フラット35の固定金利を一定期間下げられる制度です。
しかし、市民がこの制度を利用して固定金利を引き下げるには、居住する自治体と住宅金融支援機構があらかじめ連携している必要があり、都内の市町村部で連携している自治体は日野市、福生市、多摩市、奥多摩町だけです。
そこで②の質問です。過去、羽村市では、「羽村市長期人口ビジョン及びまち・ひと・しごと創生計画」のなかで、子育て世帯の住宅助成事業の立ち上げについて言及していますが、検討で終わり事業化には至りませんでした。
そこで、市外からの子育て世帯の流入及び市内の子育て世帯が羽村市に定着して住んでもらうことを目的に、子育て世帯の住宅取得に関する助成事業の創設や市民が住宅金融支援機構の「フラット35 地域連携型」を活用できるよう当該団体と連携することに取り組んではいかがでしょうか。
→(①と②併せての答弁)今後も羽村市が住みたいまちとして選択される自治体であるために、提案の内容も含め具体的な取組について検討を進める。
3つ目の取り組みの例は、多子世帯の教育・保育施設利用に係る経済的負担の軽減です。
羽村市では、東京都の制度に上乗せする形で、独自に私立幼稚園等園児保護者負担軽減補助金事業を実施して、子育て世帯の経済的負担軽減を図っており、子ども一人当たり3,000円を現金給付により補助しています。
しかし、多子世帯ほど子どもへの支出が増えますので、多子世帯への手厚いフォローがより重要となります。
そこで、質問の③私立幼稚園等園児保護者負担軽減補助金について、多子世帯の子育てへの経済的負担を鑑み、子どもの数に応じた補助金額の増額や、第2子、第3子以降に該当する幼児の要件を緩和し、多子世帯が少しでも安心して子育てをできるよう支援してはいかがでしょうか。
→東京都が行う補助事業に加え、市単独で保護者の所得にかかわらず、月額上限3千円を上乗せする形で保護者の負担軽減に取り組んでいる。市としては、限られた財源を有効に活用し、市民ニーズに応えるべく、国や東京都が重点的に取り組む制度の活用について、前向きに検討していく。
次に第2項目、子どもの情報活用能力について質問させていただきます。
小学校及び中学校の学習指導要領では、情報活用能力は言語能力と同様に「学習の基盤となる資質・能力」として位置づけられています。
また、文部科学省の「小学校プログラミング教育の手引」によれば、「コンピュータを理解し上手に活用していく力を身に付けることは、あらゆる活動においてコンピュータ等を活用することが求められるこれからの社会を生きていく子供たちにとって、将来どのような職業に就くとしても、極めて重要なこと」であり、「将来の予測が難しい社会においては、情報や情報技術を主体的に活用していく力や、情報技術を手段として活用していく力」も重要なことであるとの記載があります。
しかし、文部科学省が公表した令和3年度実施の情報活用能力調査によれば、コンピュータ等の操作、情報モラル、情報を活用した問題解決等の情報活用能力が最低レベルにある小学5年生は10%程度存在するという結果になりました。
それらを踏まえ、羽村市における子どもの情報活用能力を伸ばす取り組みについて、次のとおり質問します。
(1)羽村市では、直近数年間で学校のICT環境の整備、ICT支援員の配置、プログラミング教育の導入等が進みました。また、武蔵野小学校がプログラミング教育推進校として東京都教育委員会から指定を受け、実践研究が行われました。市では、これまでの取組みの結果をどのように活かして、子どもの情報活用能力の向上に取り組んでいるでしょうか。
→(教育長答弁)武蔵野小学校での研究成果は、「プログラミング教育マニュアル」として市内の全ての学校に配布・共有化された。また、情報教育推進委員会を年間10回開催し、ICT機器の基本的な操作の習得や情報モラル・セキュリティを含めた情報活用能力の育成の在り方について協議を重ね、カリキュラムや実践事例集を作成した。これらを活用しながら、情報活用能力の育成に取り組んでいる。
(2)市内企業と連携することにより工場内の機械や製品に利用される情報技術の例を学ぶことや、情報通信分野の先進企業と連携することにより、企業が中心となった教員向けの研修、児童生徒向けのプログラミング教育、情報モラル教育、キャリア教育等の実施に取り組んではいかがでしょうか。
→各学校は、市内企業の工場見学や出前授業等を通じて、情報技術の活用や情報モラル・セキュリティに関する学習活動に取り組んできた。また、ICT機器の活用等について、外部人材を招聘し、研修会を開催した学校もある。今後、教育委員会は、外部人材・外部団体と連携した教育活動の更なる充実を図るため、市内企業の取組や人材等の情報を収集し、各学校に提供するとともに、具体的な取組内容等について指導・助言を行っていく。